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1.生活を支える福祉用具とは

 福祉用具はお年寄りやその家族の生活を改善する上で、有効な働きをする事が多くあります。しかし、個々の福祉用具は誰にでも使えるものではなく、どのような場合・場所でも使えるものではありません。特にお年寄りの場合には、なじみの薄い機器は使いにくいものであり、見たこともない機器をいきなり使おうとしてもなかなか使いこなせるようにならない場合も多々あります。今では多くの福祉用具が市販されていますので、個々人の生活や状況に合わせて最適な福祉用具を選択し、その使い方を支援できるように知識と技術を身につけましょう。
 また、支援の結果によって生活は変化します。生活が変化すれば次に必要となる支援の内容も必然的に変化していきます。本人・家族の生活の状況にあわせて、支援を継続していくことが大切です。

2.福祉用具とは

(1) 生活の必需品です。
包丁やはさみなどの道具と同じで、生活を豊かにし、便利にする為にはなくてならないものです。
特殊なものではないという認識を持ちましょう。かといって、高齢者にはなじみの薄い機器も多い事も事実です。試しに使ってみるなどの試みも必要です。

(2) 使う目的には次のようなことがあります。
【やれることが増える】
失われた身体機能を補い、出来ないことを出来るようにしたり、やりやすくします。
【介護者の身を守る】
介護者の労力を軽減し、腰痛や疲労などの障害から身を守ります。
【安全を確保する】
転倒などの事故を事前に防止し、本人の安全がえられます。

(3) 効果が目に見えます。
生活支援の一つの手段ですが、上手な支援が行えたときには具体的にその成果がはっきりと目に見える効果的な手段です。場合によっては生活を変える引き金となりうる手段でもあります。

(4) 出来ることは限定されます。
個々の福祉機器は限定された仕事(目的)しか達成できないと考えた方が良いでしょう。本人の能力、使用環境、介助者能力がある特定条件下で効果を発揮し、なおかつ厳密な使用方法を必要とします。万能な機器や誰にでも適合する機器は無いと考えましょう。

(5) 多くの機種が市販されています。
一方、一つの目的を達成するために数多くの機器が市販されており、それぞれに特徴が異なります。個々の特徴を知ることは機器支援の第一歩です。

(6) 使う人の条件は多様です。
使用者側の条件は、身体機能、介助者の能力、使用環境、使用目的など、多様であり、個々に異なります。

(7) 適用に知識・技術を必要とします。
機器の性能と使用者の目的を合わせるためには、知識・技術が必要となります。
使用条件をきちんと確認し、数多くの機器の中から最適な機器を選び、適切な使い方を教える必要があります。
危機適用はまさしく十人十色であり、車いすならこれというように限定して決められるものではありません。

3.福祉用具選びのためのアセスメント要因福祉用具は生活支援の一環、一部分です。

福祉用具は、生活支援計画の中に位置づけられるものです。
福祉技術研究所・市川洌先生
機器だけによる支援で帰結する支援はあり得ません。福祉用具は生活の中で、有効に使われるものであり、支援者の支援計画と本人の生活をより効果的に実現する為の一つの手段として利用するものです。

  【本人の能力】
  【介護力】
  【住環境】
  【福祉用具】
これら4つの要因をふまえて、福祉用具を考えていきます。

4. 機器適応の手順

(1) ニーズを確認しよう
本人、家族の要求(ディマンズ)が必ずしも適切なニーズ、今解決すべき問題であるとは限りません。
本人、家族が意識しないことで、緊急に解決すべき問題もあります。(隠れたニーズの発掘)

(2) 解決手段を考えよう
機器で解決すべきか、その他の手段で解決すべきか、確認しましょう。
いくつもの解決手段が考えられるでしょう。
それぞれの利欠点を考えられるとともに、ある解決方法が思いもよらぬことと関連していることもありますから、生活全体を考察することが必要です。

(3) 機器の選択
機器で解決する場合には、おおくの機器の中から適切な機器を選びます。それぞれ特長をよく把握しておくことが何よりも大切です。

(4) 試用
可能な限り実際の場面で、介助者も含めて、選択した機器を試しに使ってみましょう。
その時には上手に使えても、条件が変われば(本人の身体機能日間変動があるなど)使えない場合もありますから、ある程度の期間使ってみなければ分からない時もあります。

(5) 調整、改善、改良
場合によっては、試している内に調整が必要になったり、部分的に改造したり、改良した方がよい場合があります。
自分で調整できる程度の知識を持つとともに、改造、改良の可能性が理解できていれば鬼に金棒です。
改造、改良に備えて、身近に協力してくれる業者などを見つけておきましょう。

(6) 入手支援
どこから購入しますか、各種の助成制度は使えませんか?

(7) 使い方を教える
福祉機器は使い方がポイントです。効果があるか否か、使い方で左右されます。
正確で、適切な使い方を教えましょう。

(8) 評価とフォローをしよう
機器がどのように使えているか、支援者の判断が適切であったか評価してみましょう。フォローと一緒に行えます。
機器によって、場合によってフォローすべき時期、期間は異なります。
使えていなかったり、問題点が生じたり、いろいろなことが起こります。
問題がある時は解決策を考えましょう。
いずれにしろ、自分が処方した結果をきちんと確認することは、次からの支援の為にも支援技術を向上する為にもとても大切です。

(9) 次の支援を考えよう
機器が使えていれば、生活が変わっているはずです。次の支援を考えましょう。


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